あぁ。とうとう来たか。
第一報は、友からのラインだった。
呑気にダーリンの夕飯の買い物中で、イカの唐揚げを作るつもりだった。
手にしたスマホが出した文字に時が止まった。
またこれ、ガセニュースが‥とは思わなかった。
来ちゃったんだ。とうとう。
そうとしか思えなかった。
特に急ぐこともできず、家についてもファンクラブ動画は見れなかった。
何度再生しても、智の言葉が途切れてしまう。
頭が働かなかった。
理解ができなかった。
何が起きてるのか意味がわからなかった。
ただ。
何度も何度も同じところばかりしか見れない、動きの遅い動画でさえ。
あぁ、いい声だなぁ
と、おもってて笑った。
会見も、三角座りで見てた。
絶対泣くだろう、とおもってたのに、私は泣かなかった。少し痩せたなと思いながら、やっぱりいい声で、やっぱり嵐で、あんな場所でほんわかしていて。
4人で智を守っていて、なにこれ嵐じゃん。
いるじゃん。
君のうたみたいなお衣装で、ミニステやんってどこかふわふわしてた頭が、一気にダメになった。
いなくなる。
智がいなくなる。
嵐が終わる。
終わる。
声出して泣けたら楽だろうとおもった。
けど、泣いたら現実になる気がして泣けなかった。なんか、意地だった。
zeroもみた。
翔さんの言葉は事実しか話してないと、ちゃんと感じた。
高速で頭の中は答え合わせを始めた。
あの時の会話
あの顔の意味
未完
歌割り
嵐が嵐じゃないと感じたこと
智が笑わなかったころ
顔の左右差がなくなったこと
介護要員
そんふぉゆの映像
untitledって。そういうことだったのか。
嵐の冠落としてもついてくる？だったのか。
どんどんピースがはまっていく気がした。
それを耐えきれなくなって吐き出しまくって、
吐いて吐いて吐いて、
ダメになった。
無理だ。
たすけてくれ、誰か。
そんなままで。
また1日減ったんだわ。
受け取り方は様々だろう。
多分。
私の受け取り方が正しいとか、誰かが間違ってるとかは思わない。
このことにおいて、智が何かを我慢したのかもしれない。のぞみの全ては叶ってないのかもしれない。
けど、それはそれで含めて5人納得する地点を見つけたのだとは理解した。
40歳。
わかる。
同い年の一介のオタの私でさえ、40代の身の振り方を考えたのだから。
その結果、5人が事務所に伝えた2月に私は学び始め、休止を決断した6月に新しく動いたのだから。
理解できた。
智の考えも気持ちも、わかる、とおもった。
おもったから、戻らないとおもった。
ラジオを辞めて、
よくこんなにプライベートの話してたよね
とのちに話してた
嵐から離れたら、きっとその感覚になるだろうなと。
よくできたな。
って。
動いていたものを、止めるというのは案外何とかなるのかもしれない。その先のことを準備すれば。
ただ、止めたものを動かすって多分止めた時よりも難しい気がした。
そんで何よりも。
智をずっとずっとずっとずっと見てきたから。
帰らないのだろうな、と。
肌感が言う。
私はずっとずっとずっと見てきた分、
ずっとずっとずっと怖かった。
覚悟してるつもりもあった。
でもそれがズドンと目の前に落ちてきた今、
ただ私は慣れていたんだなと、愕然とした。
いなくなるだろうな、と怯える自分にすら。
いなくなるだろう、と覚悟したつもりで
それでも嵐があれば智がいる。
智が嵐にいることが奇跡なのに。
あの人が、留まることが奇跡なのに。
私は奇跡に慣れてたんだわ。
申し訳ありません
と繰り返した智に、謝り倒したい。
申し訳ないのは私の方だ。
あの時も、ただ信じることができなかった
あと少しあと少し留まってほしいと祈り、
欲しいものばっかり並べてた。
あなたの欲しいものを、奪い取ってるくせに。
どんだけ謝れば届くのだろう。
いや。そんなのもきっと聞きたくないのかもしれない。
大野くんの夏休み
それでいいなら、乗っかろうとおもった。
罪悪感でしかないのに、幸せを祈るふりをしようと思った。
大野智殿。
あなたは私の道しるべです。
あなたの言葉が、生き方が。
存在が、生きる指針でした。
あまりにいとおしくて、
あまりに優しいから、
本当の菩薩のように、永遠にそこにいてくれるのだと勝手に勘違いをしてました。
あなたが38歳の、大人の男なんだとわかっていたのに。
2年もの時間を、与えてくれたことに感謝します。
あなたの自由が始まってから、
それを邪魔する媒体がありませんように。
きっと日本は息苦しいから、南国でも雪の国でも、気の赴くままに過ごして欲しい。
その日々が、あなたを救いますように。
1人になりたがる人だと知ってる。
すぐ顔にでるし、嘘つけない人だとも。
だから会見の言葉は、ちゃんと伝わった。
背景に何があるかとか、どうでもいい。
智が言った。それだけでいい。
釣って食べて、絵を描いても誰にも見せなくていい。奈良さんくらい、あちこち出かけていろんな人に会って欲しい。
その全てが、あなたのエネルギーになる日々でありますように。
それでも。
まだ願う私がいます。
いつか。
帰ってきてほしい。
どんな形でも、歌わなくても、踊らなくても。
あなたがいる。
それが全てだから。
ごめん。
