ちらかりほうだい。中身はない。

とっ散らかりながら、すきなものはすきとエモる場所(稀におかん)

ダンナの語る セカムズと銀河鉄道999



こちら、当ダンナ様が語ったセカムズについての語りです*。・+(人*´∀`)+・。*

クッソ長いです。

例のごとく、おもろかったので笑
セカムズが全話終了したら、全てをひっくるめたものを書きたいなあと思ってはいたのですが‥ほら、ほとばしるから、すぐ。ワタシ。

なので、ダンナが語りましたので、それベースにして私のものっけて記載。

あくまで、トーシローで『俺は毎話、感嘆した!』と言う当ダンナの思うところですので。
御理解のほど。

では。




まずは、銀河鉄道999とは

ご存知の方も当然多い、松本零士のSF名作でございます。
該当世代の男子にとったら、ヒロインのメーテルこそ理想の女性と崇める事も多い作品。
もんのすごく大まかにストーリーを説明すると‥

機械化した人間に、親を殺された“鉄郎”がその復讐のために、自分を機械人間に改造すべく旅に出ます。
そこで知り合った謎の女性“メーテル”と、宇宙を走る銀河鉄道に乗り込み、様々な星を旅します。その中で、機械人間になり永遠の命を得るべきか、生身の人間として限りある命の中でこそ、生きぬくべきか。様々な葛藤を経て鉄郎は、生身の人間として生き、メーテルとは別の道を生きる事を選びます。

といった感じ。


その最終話の最後のカット。
それが、同じだ。
というのが、そもそものきっかけでした。(あくまで原作の話で)

{47346E5A-2FF0-436E-B8E9-82A4ECBF8CF9}

{C3CD428A-B4E2-4E17-BD06-4F3BAA91D0A7}

この二つですな。

どちらも主人公が、一つの区切りを迎え車窓を見上げる、というのが共通点だそうで。
そこには理由があるそうな。


鉄郎と零治
メーテルと鉄郎の関係は、レイさんとみささんにつながるとおっしゃる。

鮫島零治は、鉄郎

ここから、会話形式で。
まず、鉄郎にとってメーテルとはなんぞや。


『母であり、恋人であり。
でも、そこまでの存在の人なのに。
24時間365日一緒に過ごしてるメーテルの正体を、鉄郎は知ろうともしなかった。
メーテルが明かそうとしても、鉄郎は見ようとしなかった。知りたいのは、そこではない。』

『ほぉ。あなたが何者かに興味はないと。私があなたをどう思うか、にしか興味がないと。』

『そう。(どやぁぁぁ) 。
メーテルの真意がどこにあろうとも、旅を重ねるにつれ自分にとっては大事な人だから、この人を疑うとかそう言うのは辞めようってなる。』

『おぉ‥。あれか。レイさんの告白のとこか。夢語ってる‥』

周りの人間が躍起になって消そうと思っても、ヤケになった自分が、本気で消しにかかっても残ってしまうもの。

『そうです。つまりは、メーテルもみささんも、自分の意思を越えても大切な人。』


鮫島さんに取って、美咲は一目ぼれしたことも確かではありますが、本人の意思の上では、「パーティに連れていって、和田を見返してやるための手段」にしか過ぎなかったわけで。

鉄郎にとっても、メーテルは母の敵を取るために自分を手伝ってくれる人、というどこか打算的な関係だったんですよね。
それが、様々な旅を‥つまり、今まで見たことのなかった価値観や経験を得るうちに、メーテルが必要不可欠になっていくにもかかわらず、メーテル自身の本心は見えない。

という構図が、鮫島さんと美咲の関係と重なるそう。

ほほぉ。
とおもい、尋ねてみました。

ならば。


みささん=メーテルとは、どして?

『世の男性の理想の女性=メーテル、ってなるのはなぜだ。一緒にいるから?』

『一緒にいて自分を立ててくれるし、裏切らない。しかも自分に助けられてくれる。けども!絶対的な一線があって、高嶺の花である。』

たかねのはな、ほぉ。』

『いや、ちょっと違うな。永遠に手に入らないひとなわけですよ。最後は道を分かつからね』

『手にはいらない。』

『そう。手に入らないからこその、強烈な飢餓感。強烈な憧れ。』

メーテルについて、語り倒していたのですが。(悪かったな、ヨメは真逆で(`д´*)

『自分の重要な成長の期間において、そのきっかけであり、自分のある時代の象徴的存在であるというところにおいて、みささん=メーテル説。』

だ、そうだ。



これは、鮫島零治の成長物語

『つまり、ドラマの中の描かれ方として、核に触れる部分が分からないっていう。幻影的な存在っていう点で、みささん=メーテル。ってのもある。』
『ほほぉ』
『じゃなかったら、ラストカットで一緒にいるでしょ!!』(鼻息)

『あー。二人で幸せね?って終わるんじゃなく、レイさんは最初とは違う表情で、星空見上げてるシーンが、ってこと?』

『そう!!しゃしょー、しゃ、そ、しゃそう!そう!車窓から外を見るというのが!!』(噛みたおし)

『鉄郎は寂しそう』←ラストカット

『そりゃそうだよ!離れることを選んだんだから!』
『しかし、みささんは家にいると。』
『うん。ラストカットで描きたかったことっていうのは、主人公ひとりの姿なのさ、どちらも。』
『これは鮫島零治のお話でした、ってこと?』
『二人手を取りあっていくっていう、ラブストーリーじゃないってこと。』
『チャーミーグリーンじゃない、てことか。』
『いつもの三人で、いつのもの景色で、でも違う姿ってことだな。』

『それに、鉄郎は母を殺された復讐心で機械の体を手に入れようとする。けど、いろんな経験の後、それを反故にしてしまう。そのきっかけがメーテル。同じように、パーティーに連れていく女性を探すっていうのを反故にしたきっかけは、みささん。』
『ほほぅ』
『ある大切なことに気が付いて、当初の目的をやめてしまうってのは、思春期の少年の成長物語を描こうとすると、繊細ながらもこうなる。けど、鮫島零治も、あいつが中学生と変わらないようなキャラクターだから、それが可能になる。』

えぇ。
ご想像の通り、酒入ってます。
まぁ、だんだん、何言ってんのかなーこいつ、とか思わないこともないんですけど←

まあ、面白いなぁと思いました。
案外、的を得てるな、と。

ミューズ信仰、なんて言いますが。
レイさんにとって美咲は、子どもの時に好きで憧れた学級員の女の子、の幻影があるんですよね。
それゆえの行動をして失敗もするのですけど。

銀河鉄道の文庫版の帯には、こんな言葉も。

メーテル。それは少年の心の宿った、青春の日の幻影。

美咲の気持ちの描写が、ドラマのなかで必要最小限だったのは、ココがあったからかもしれません。
子どものころの憧れ、幻影、を通してみささんを見ていた時は、美咲の心情描写がほぼないんですよね。
「学級委員」の正しくまっすぐな姿ばかりが強調されて。
それが、一人の女性として、目的のためのあなたではなく、あなたとその目的を果たしたかった、と言えたときから、美咲っていうキャラクターが徐々に気持ちをこぼし始めたように思います。

永遠に手に入らないからこその、強烈な飢餓感と憧れ。

尻に敷かれてるレイさんは、おそらく、みささんを自分の思い通りに動かすことは難しいでしょうね(笑)
きっと、思い通りにするっていう点では「世界一難しい」んだと思います。


メーテルと分かれた鉄郎は、その「幻影」から離れたんですよね。
それは確かに、とんでもない喪失感のはず。
けれど、それも成長の一つなんですよ。

999ほど壮大でなくても、ハチミツとクローバーでも描かれていた「青春スーツ」。
それを脱ぎ捨てた後の、ぽっちり感ってのは、経験あると思うんですよ。みんな。

あ。思ってたほどワタシ、大した奴じゃなかった。こんなに何にもできない奴だった。

みたいな。

そういう「身に覚えのある」を、34歳の男性の成長物語に乗せて、しかもコメディとして描くっていうのは物凄く挑戦だったのでは、と。

このあと、最近の映画やドラマ、などなどについて、“なんでだろう、の余地を無くしている”とまたこれ、長い会話が始まったのですが(笑
それは別件ということで。


さて。もうひとネタ。

最後に夜空を見上げるということもだけども。

『そうなってくるとね?ほれ、あの。オヤスミナサイ…』
『いさなみすやお』
『それ。そうやって星を象徴するワードが出て来たりね?』
『ほしみなさい。と。』
『星を転々としますからね。999は。まぁこじつけですけど!!』
『たしかに。オヤスミナサイ、って言い合えばよかったわけで?』
『零治の好きなものはキノコにメダカ?魚?だったら、それをひっかければいいのに、あえての星。ってことがね。』(にやにや)


999では、最後にメーテルは、鉄郎にいいます。

私は思い出の中にだけいる女
私は少年の日の心の中にいた、青春の幻影


幻影を切り捨てて進んだ鉄郎は、もしかしたらかつてのレイさんだったのかもしれないですよね。

けど、自分のコントロール外のところで、ふわっとでた幻影に翻弄されながら、受け入れ乗り越える姿っていうのは、やっぱり「成長物語」だったのだろうなぁと思います。

コメディという、いちばんフランクな形でほとんどの人が見に覚えのある、ちょっと痛い部分と恥ずかしい部分。
それから「青春の幻影」を、手に入れようとする34歳を描いた見事さに、やっぱり「上手いなぁ」と脱帽でございます。

旦那も似たような事を。

セカムズは、ものすごく繊細な部分を「笑ってね」って差しだす。
軽やか!ものすごい軽やか。
ナックスの森崎が言ってた。「芝居見た後に、となりの席のやつと一杯呑んでく?」ってなれば、「ちょっと芝居の話しようや」って。それが理想。そういうことだよ。
結局みささんの気持ちとは、ってなぞかけばかりが鮫島零治に投げかけられる。
しかもそれが最後の最後までわからない。
え?どうしてって考える余地がある。視聴者にも、零治にも。それを森崎が言ったみたいにして、話すの。
そういうことだよ。これは。


うん。そういうことだよ、多分。
そういう面白みが、世界一難しい恋の魅力の一部ではなかろうか。

以上っ(笑